なないろこども園

入園を検討されている保護者の方へ

入園を検討するにあたりまして、当園の教育方針等を明記していますので、参考にしていただければと思います。特に「保育時間について」「発達や行動が気になる子の対応について」はよく理解していただいた上で、入園をご検討ください。
随時園見学も受け付けていますので、当園までお問い合わせください。

なないろこども園の教育

 当園では9時から13時までを教育の時間とし(以上児)、その時間は主にあそびを中心としたクラス単位と異年齢でのチーム単位での教育活動を行なっています。基本カリキュラムは週単位で設定されています。
 月・水・金曜日は「設定保育」として、各年齢に沿ってクラス単位で朝の活動や設定保育活動を主に行なっています。この設定保育では、クラスという集団の中で担任の指示の下、その意図を理解し、周りと協力したり切磋琢磨しながら、活動を行うことで、集団性や社会性を身に付けていきます。
 火・木曜日は「選択制保育」として、じゃれつきあそび、アダプテーション活動、積み木活動、菜園食育活動、園庭遊び、体育遊びの中からその日に自分がやりたい遊びを選択し、異年齢で協力したり、専門の先生に学びながら活動を行います。またこの日はバイキング給食で自分の食べたい時間に、食べたい量を自分で決めて、ホールで給食を食べます。
この選択制保育ではこどものやりたい事やあそび、活動を尊重し、自分で選択することで判断力や自己決定力、責任感が育ち、意欲的 に活動に参加するようになります。その中で好奇心や気づき、学びを得、子ども自身が自ら伸びようとする力が育ちます。
 この時期の子どもは無理に何かを伸ばしたり、修得させようとするのではなく、気づきや学び、好奇心を大事にし、子ども自身が自ら伸びようとする力を育てることが大切だと考えます。

特徴的な教育

テーマ保育「主体的に、より深く遊びこむ」

 「造形」「自然」「運動」「生活」を基本として、一つのテーマに沿って子どもが主体的に活動を行い、その活動をより深く掘り下げ、体験したり、学んだり、遊び込んだりします。
 月に一回、一週間の時間を使ってクラスや異年齢のチームでテーマに沿って事前に作成するもの(テーマ)をみんなで話し合いながら、目標や目的、やり方を決め実行していきます(アクティブラーニング)。 その遊びを行う中で、工夫したり、お友達や先生の話を聞き、子どもの中で気づきや発見、理解がより深まっていきます。保育者はアドバイスやサポートをしながらも、できるだけ子どもの発想や考え、主体性を尊重します。
 このテーマ保育では先生の指示をしっかり聞いて物事を行う保育とはまた別の、自ら学びに向かう力、言葉による伝え合い、みんなで協力しあう共同性などを学ぶことができます。また敢えてテーマを決めなくても自分でそれぞれ目標を持って自分のペースで行う活動も大切にしています。

積木あそび「シンプルな積み木の、無限の可能性」

 和久洋三氏提唱の童具を使った、積み木活動を0歳児から5歳児まで全クラス行なっています。積み木はシンプルが故に、遊び方に無限の可能性を秘めています。 子どもたちは時間が許せば、想像力を働かせて、いろんなものを作っては壊し、また作るという動作を繰り返しながら、イメージを形にしていきます。年中、年長児位になると、いろんな建物や乗り物を作ったり、それを友だちと繋げて大きな街を作るなど遊びがどんどん広がっていきます。
 また積み木を扱う中で、いろんな形や数の法則に無意識に触れることで、幾何学や原数学の原理を自然と学ぶことができます。想像力や創造力を培い、自由自在に遊ぶことができるのは、 まさにシンプルな積み木ならではです。

童 具 : http://www.dougukan.com/index.htm

じゃれつきあそび「大人も子どももじゃれつきながら、ダイナミックに遊び込む」

通常保育時や選択制保育時、夕方の自由あそび時間などに安全なスペースにマットやクッション、トランポリンやエアー遊具を配置して、大人も子どもも混じって、くすぐり合いや高い高い、相撲ごっこなどじゃれつきながらダイナミックに遊びます。  大人や子ども同士で一緒にじゃれつきながら遊ぶことで、スキンシップやコミニュケーションをたくさん取ることができ、愛着形成や自己肯定感を育みます。また十分に興奮を引き出しながら遊んだ後、通常活動に戻ることで興奮と抑制をコントロールする前頭葉を鍛えることができ自律性を高めます。そして飛んだり跳ねたり押したり引いたり、バランスをとったりと全身を使った遊びを行うことで、バランス能力やスピード感を司る前庭覚が刺激され、さらに体力や運動量の向上も図ることができます。

アダプテーション活動「身近な道具を活用して、頭と身体をフル回転」

全クラスにおいて、作業療法士であり、子ども指導エキスパート講師の中鶴真人氏による『アダプテーション活動』を行っています。
 この活動は、脳科学や発育発達とアフォーダンス理論に基づくアダプテーショントレーニングを子ども向けに考案したもので、身近な道具を使い、遊びを通して様々な身体の動きを行うことでその年齢で獲得すべき体幹や身体機能、運動能力の発達を促し、また集団における対人環境の負荷を意図的に作り出すことで、子ども同士のコミュニケーション能力や集中力、忍耐力の発達を促します。

ワーク活動「自ら学び、考えることが好きになる」

 4、5歳児は楽しみながら自ら学習に向かう姿勢を身に付けるために週3回15分程度のワーク活動の時間を設けています。 その中で、考えることが好きになる「思考センス」を培うために、ipadによる学習アプリ「Think!Think!」や(5歳児のみ)、子どもたちの認知スキルを向上させる「コグトレ」を活用した活動を行なっています。
「Think!Think!」の思考センスとは「物事の表面を見るのではなく、その背景や本質が何なのかを想像し、自ら解決策を見出す力」で、いわゆる非認知能力の一つと言え、そしてそれは10歳以降の抽象的思考力や読解力に繋がっていきます。
「コグトレ」は身体面の不器用さを改善する認知作業トレーニング、基礎学力の土台作りである認知機能強化トレーニング、対人スキルの向上を目指した認知ソーシャルトレーニングがあり、これらを継続的に行うことにより、子どもたちの基礎的能力の向上を行っています。
これらのワーク活動を通して子どもが自ら問題に取り組み、考えることを楽しむようになる、また苦手なこと把握し克服していくことを目指します。

Think!Think! : https://think2app.hanamarulab.com
コグトレ : https://cog-tr.net

食育「食と向き合う」

 日頃の給食をはじめ、菜園体験や調理体験、テーマ保育、食育教室などでの食育を通して、子ども達に食べることの楽しさや大切さを伝えています。また食の安全性や身体にいい食べ物、あまり摂りたくない食べ物なども食育を通して学んだり、和食をはじめ箸や作法など日本の食文化の大切さも子ども達にわかりやすく伝えています。
 これらの食の経験により、子ども達は身近な食に関して興味を持ち、そこから食材の成り立ち や栄養や健康、食の安全性など、より良い食生活について自ら選んでいける知識と経験を得る きっかけ作りを目指します。
 活動としては、選択制保育の中に食育の時間を設けて、野菜の収穫から調理まで体験したり、11月のテーマ保育では「なないろ食堂」として各クラスごとにみそ汁、炊き込みご飯、漬物を手分けして作り、給食で美味しく頂きます。

園庭「自然を感じながら、おもいっきり遊ぶ」

 園庭は、広く平坦で自由に走ったりボール遊びをするなど、体を思いっきり動かすことができる人工芝の「芝エリア」と、高低差や木々があり、土、木、水、風など自然を感じながら、 総合遊具や築山・砂場で木登りやどろんこ遊びなどができる環境の「土エリア」に分かれています。 人工芝はクッション性が高く、転んでも怪我をしにくい為、子どもたちはよりダイナミックに走り回ったり、ボール遊びを楽しみ、時々寝転んで空を見上げてみたり、 ひたすらゴロゴロと転がっている姿も見かけます(笑)。またよちよち歩きの赤ちゃんも安心して遊ぶことができます。
 総合遊具はスウェーデンの公園施設メーカーHAGSのオーダーメイド遊具を配置し、よじ登る・飛び降りる・ぶら下がる・滑るなど、子どもたちが自然のなかで見せる 遊びの動きを再現し、成長に合わせて「変化する遊び」や限界を超えるための「挑戦する遊び」、冒険心を刺激する「興奮する遊び」を通して、子どもの「運動能力」と「挑戦意欲」を獲得することができます。 砂場・築山では種類の異なる砂や土を配置し、いろんな道具やHAGS遊具も連動して、創造力や想像力を駆使しながら、砂遊びやどろんこ遊びでままごと遊びをしたり、数々の芸術作品が出来上がっています。
 これらの整備された園庭で自然を感じたり、主体的に思いっきり遊びこむことで、心も体も大きく成長することができます。

※アネビー : http://www.aneby.co.jp

手作り給食について〜よりよく食べ、よりよく生きる〜

 「食べることは生きること」とよく言われますが、当園の給食は「よりよく食べ、よりよく生きる」ことを目指しています。 昨今は食が溢れて、選ばなければなんでもお腹を満たすことはできます。ジャンクフードや冷凍食品、工場で作られたお弁当や惣菜もとても美味しく食べることができます。ではなぜ手作り給食にこだわるのでしょうか。それはやはり子供達により良い物を食べてもらいたいから。そしてそれは子どもの心身の成長と将来の健康にとって、とても重要なことだからです。 食材一つとっても、産地は?農薬は?添加物は?調味料の原材料は?糖分や塩分量は?油脂類は?と、こだわりだしたらキリがありません。しかしそれらのこだわりと一つ一つ向き合うことで、子どもにとって、健康的で安全な給食が出来上がります。昨今、TPPや遺伝子組み換え食品、農薬汚染、水汚染など日本でも食に関する様々な問題が溢れかえってます。例え大人が問題ない量の添加物や含有量であっても、乳幼児にも安全とは言いきれません。当園では子どもたちにはできるだけ安心・安全な食を提供することを目指して、食材・食品を一から見直し、できる範囲で材料を吟味し、消化器系への負担や免疫撹乱、依存性など身体への影響が大きい小麦・植物油・乳製品・砂糖類をなるべく使わず、ご飯とお味噌汁を中心にした和の献立作りを心がけています。
 園庭で元気いっぱい遊んでお腹もペッコペコ、その後に先生やお友達みんなと食べる手作り給食やおやつは最高に美味しく、心も体も大満足、間違いなしです。

お茶やお汁、ご飯を炊くなど、給食に使用する水は、逆浸透膜(RO)フィルターを使い、全ての不純物を取り除いた「純水」を使用しています。
主に有機栽培米(無農薬・無肥料)をその日に精米してご飯を炊いています。
野菜 園内の菜園の無農薬野菜や有機野菜や無農薬野菜、自然栽培の野菜を使用しています。
肉・魚・野菜 肉や魚は地元のお店から仕入れ、肉は国産のもの、魚は主に天然ものを使用しています。
卵は平飼い、飼料にも気を使った卵を使用しています。
調味料 醤油、みりん、酢、料理酒はすべて有機調味料を使用しています。
味噌は有機国産味噌や国産材料を子どもたちが仕込んでいます。
塩はミネラルハーヴェスト塩、砂糖はオーガニックシュガー、マヨネーズ、ケチャプ等も有機のものを使用しています。
おやつ おにぎりや小魚、さつまいもなど、なるべく素材の風味を生かしたものを提供しています。

※予算や時期、流通、仕入れの先の在庫の関係で上記の食品や食材を利用できない場合は国産の食品、食物を使用しています。

乳幼児(0~1歳児)の安心安全な見守りサポートについて

 当園では乳幼児(0~1歳児)のお子様の安心安全な見守りについて、保育者による視診・検温・体調管理・午睡時の体動・呼吸の確認・記録等安全対策等を行なっていますが、それに加えて希望 する保護者に、ウェアラブル端末付き肌着「cocolin(ココリン) 」にてSIDS・熱中症・ストレス・体調管理の見守りサポートの提供を行なっています。
 初めて親元から離れて園で過ごす乳児は不安からとても高いストレス状態にあります。乳児によるSIDS(乳幼児突然死症候群)の発生時期は保育所等への預かり初期(2週間以内)に特に多いともいわれており、環境の急激な変化からのストレスがその原因の一つと考えられています。また日常の保育においても子どもには様々な体調の変化が見られ、特に乳幼児は細心の体調管理が必要です。
cocolinは心拍センサーなどのデータから乳児のストレスを常にモニタリングすることで、緊張やストレスによる体調変化を感知・記録し、アラートで知らせることで体調変化に速やかに対応することができます。(ストレス見守りアラート)
 この他にも加速度センサーによって体の向きを感知し午睡中のうつ伏せ寝の状態が続くとアラートで知らせる「うつ伏せ見守りアラート」機能や、呼吸などによる体の動きが一定時間見られない場合にアラートで知らせる「体動見守りアラート」機能、体表面温度センサーによって服・毛布の着せすぎや熱中症、発熱の予兆などを知らせる「体調見守りアラート」機能で園児の体調不良を事前に察知し、ケアすることができます。
 なないろこども園では保育者とcocolinの2つの見守りで、お子様の安心・安全な園生活をサポートしています。

※cocolin(ココリン) : https://coco-lin.jp/

※安全性について

  1. トランスミッター
    トランスミッターに内蔵される Bluetooth は、ごく微弱な電波を発し ますが、電波法令が定める技術基準に適合しております。電波の人体 に与える安全性の基準として総務省が定める「電波防護指針」においての安全基準値は2W/kgと定められています。本器が発信する電波 は、この基準値の1/400 の電波です(国内で販売されている携帯電話 では1/50)。
  2. 電極部分
    電極として使用する銀繊維については第三者機関(一般財団法人食品 分析センター)での試験を行っており、いずれも毒性、刺激性、感作性に問題ありません。現在大手服飾メーカーでも数多く採用されており安全性の高い素材です。万一、お子さんが舐めたりしても害はありません。

保育時間について

 子どもの健やかな育ちや集団生活でのストレスを考え、またこの乳幼児期は親子の愛着形成においてとても重要な時期であることを考慮して、保育推奨時間を設定しています。 当園での教育時間は4時間、保育時間は原則8時間ですが、この時期の子どもの愛着形成や心身の発達を考えると長時間保育はお勧めしていません。 特に乳児期(0〜1歳)は特定の相手(主に母親)との適切で愛情に満ちた関わり(マザリング)が重要とされ、幼児期も含めこの時期の愛着形成がのちの自己の確立や対人の関わり方に大きな影響を与えることから、 家庭での親子の関わりを確保にする為に、園での推奨預かり時間を0歳児を週30時間、1〜2歳児を週40時間、以上児(3〜5歳児)を週50時間としています。
0歳児は生後8ヵ月以上、保育短時間の方のみお預かりしています。

※一般的には長時間保育は子どもへの影響はないとの厚労省の見解が出ています(1998年)が、愛着形成に関してや思春期以降の人格形成、対人関係への影響の追跡調査研究などについては、いまだ不明な点や見解が分かれているのが 現状です。
※園の推奨預かり時間は、下記の論文やNICHDの調査を参考にして、園独自で設定した時間です。

    (参考論文)
  • 3歳児未満児保育から見た、親子関係が青年期前後の人格形成に及ぼす影響について 萩原英敏(その1 2012年、その2 2013年、その3 2014年)
  • 長時間保育の影響 掛札逸美(2015年)
  • 愛着傾向が青年期の人間関係に及ぼす影響について 小泉芽乃 斎藤勇(2013年) 等

発達や行動が気になる子の対応について

 当園では発達や行動の気になる面がある場合に、発達の面と愛着の面から可能性を考えて対応をしています。(これらが複雑に絡み合っている場合もあります。)
 愛着形成不全など愛着の面が気になる場合は、家庭への聞き取りや保育時間の見直し、親との関わりのアドバイスを行います。
 発達の面で気になる時には、保護者と連携をとって、家庭へのアドバイスや園にてその子の苦手な部分をサポートしていきます。また家庭や園での生活において本人や保護者の困り感がより強い場合には、併設の多機能型通所支援事業所なないろ」との連携により、その子の発達の状況や困り感に応じて個別又は小集団での支援を行ったり、公認心理師や作業療法士・言語聴覚士など専門の指導員による指導・アドバイスを行うなど、その子の発達上の苦手な所や困っている所に焦点をあてて、保護者や園と連携しながら支援を行うことで、本人の生活上の生きづらさを緩和し、二次障害を予防し、お子様のより良い成長へと繋げていきます。

保護者との連絡について

当園では保護者とのやりとりにこども施設向けICT支援ツールCODOMON(コドモン)を使用しています。コドモン保護者アプリで出欠連絡や連絡帳のやりとり、カリキュラムやクラスだより、行事予定や献立表などお便りの配信を行っています。また園で測定した体温や排泄の情報も瞬時に保護者アプリに反映されますので、体調の悪い時などお子様の状態を随時把握したり、怪我等の時は、その状況を写真などでいち早く伝えるようにしています。また保育ドキュメンテーションを導入し、その日の保育の様子やお子様の様子を写真や動画等でわかりやすくお伝えしています。

 当園では「こどもが主役」の理念のもと、認定こども園制度の柔軟性を活かして、子どもの成長、発達にとって何が本当に必要なのかを常に検証し、教育・保育・療育、子育て支援など様々な面から、子どもの心身の健全な成長、育ちを考えていきます。